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Transistor とは

transistor はもともと ATT (American Telephon and Telegram) 社のベル研究所でリレーに代わる素子として研究が進められていました. なぜリレーに代わる素子か...電話の交換機は昔は皆リレーを使って電話機と電話機を接続していましたが,交換機の数が多くなるにしたがってリレーでは時間的に問題が生じるようになってきました. リレーは接続時間がかかるため,電話の数が多くなり,その間の交換機が多くなるにしたがって接続時間を短くする必要がありますが,その解決方法として真空管を使うようになりました. たしかに真空管は接続時間が短いため,電話の接続時間は短くなってきましたが,真空管の故障確率は高いため,膨大な数の真空管を交換する手間とコストは非常に大きな負担となりました. これにかわるものとして半導体をつかったリレーや真空管に代わる素子の開発がATTのベル研究所で始まりました. ショックレー博士らの研究陣は半導体素子を改良してリレーや真空管に代わるものを研究開発することになったのです. つまりトランジスタは偶然の産物でもある天才(エジソンのような)が生み出したものでもなく,ATTという会社が自社のコストや将来性を考えてプランしたものです. このようにトランジスタの出現は私は必然であったし,またこの時期に生まれるべきものであったと思っております. Transistor の使い方(基本)
トランジスタの物理的な動作はここでは省略します. ここでは電子回路を設計するのに必要な知識について簡単の述べます. トランジスタは以下の様な記号で示されます.
         Corrector
            |  |
   Base     |  V Ic
  o-------|<
    ->      |  |
    Ib      |  V Ie
          Emitor
このトランジスタは NPN 型のトランジスタです. 各々流れる電流は Ib,Ic,Ie になり,Ib に制御電流をながすとその電流の量に合わせて Ic に流れる電流の量が変化します. つまり Ib に増幅されるべき信号を流すと Ic に増幅された信号が出力されることになります.

増幅度 トランジスタの規格表を見ると,hfe という増幅度を示す表記があります. hfe は Ic/Ib であり,これが増幅度になります. この値が大きければ大きいほど増幅度に優れているということになります.
大体 hfe の値は 120 くらいが最小値であり,通常最大 300 位,大きいものは 700 くらいの hfe になります. Vbe トランジスタに限らずシリコン系の半導体の特性としてP型とN型の間には約 0.6 V 程の電位差が生じます.

            C
             ||Ic          Ic|
   B         |V              |        /
   o-------|<                |       /
  Vb  A      |               |      /
      |      |               |     /
      Vbe--->| E             |----+
            ---              +----|----------Vb
           ///             0.0   0.6
もしエミッタ(E) が GND になっていれば,ベースの電圧は 0.6 V になるはずです. つまりベースには 0.6V 以上の電圧がかからないと,IC に電流が流れないことになります. これがトランジスタの静特性の一つになります. これを上手く利用することで種々の使い方が出来ます. スイッチとしての使い方 トランジスタをリレーの代わりにスイッチとして使う方法があります. Operational Amplifier の略語で日本語で演算増幅器といいます.
OP-AMP は元々アナログ計算機(今の計算機はディジタル計算機です)の為に開発されましたが,簡単に使えるようになってからは増幅器のみならずアクティブフィルタ,線形・非線形の信号処理に広く追うようされています.
OP-AMP は以下の様な記号で示されます.
            |\
    o-------|+\
   Vi  Zi-> |    >---o Vo
    o-------|−/  <- Zo
            |/
理想的な OP-AMP の特徴は以下の通りです. OP-AMP は上記のように理想的なものは本当にすばらしい特性ですが(いつでも理想とはすばらしいものなり(笑)),でもそのようなものは出来ません.
よって色んな特色のある OP-AMP が発売されています.

私自身も色んな OP-AMP を使いましたが使いやすかったのが TI 社の TL08x シリーズ,ナショセミの OP-07LH-0032 等です.
TL-08x は数種類ありましたが基本的な性能は同じで,1つのパッケージの中に入っている数が違うという点があります.ちなみに SR は 13V/u 位ですので,大抵の事には使える万能な OP-AMP です.
OP-07 はオフセット電圧が非常に小さく,精密な計測用に用いていました.SR はあまりなく 1V/u 位だったと記憶しております.用途は ADC などで信号を読み取る際の増幅器に使っていました.
LH-0032 は高速の OP-AMP で SR は 1000V/u と超高速です.このオペアンプの特徴は非常に熱を持つため(高速動作のため熱を出します)パッケージが丸い金属タイプとなっています.また結構高価なため壊すと大変なので結構気を使いましたが,本当に高速なサーボをかけるときなどに使っていました.

このように私自身もその時々に応じて自分の気に入った OP-AMP を持ち使ってきましたので,皆さんもぜひ自分にあった OP-AMP を探し試し,ぜひ自分自身のアプリケーションを広げてみましょう.


OP-AMP って最初にだれが作ったのか
IC 化された OP-AMP は最初にフェアチャイルド社という会社が開発をしました. この時最初に出た OP-AMP は uA702 というもので,1964年に発表されています. OP-AMP 自体は TI(テキサスインスツルメンツ社)が1958年に発表していますが,やはりIC化により爆発的に需要が伸びたようです.
IC 化というのは一つのチップで OP-AMP の回路を埋め込みますが,以前の OP-AMP は基板上にトランジスタや抵抗を実装して1つのモジュールとなっていました. 当然複数の半導体等(トランジスタや抵抗等)が使用されていますので,半導体毎による特性誤差などでモジュールとして一定の特性を出すのは難しかったと創造します. それが一つの半導体でIC化された意味は非常に大きいといえます. つまり半導体が一緒ということは特性が同じトランジスタで OP-AMP を構成出来ると言うことですから,モジュールとして一定の特性が出る OP-AMP は非常に良かったのではと思います.
さらにIC化する事により価格が非常に安くなり,モジュール化された OP-AMP に比べ何十分の一の価格(それ以下かも!)だったと思います.
その後1965年に本当の意味での今の OP-AMP の祖となる uA709 が発表になり,これ以後 OP-AMP 全盛時代を迎えることになります. ちなみに uA702 ,uA709 を設計した人は同じ人物でワイドラーという偉いエンジニアにより世の中に出されました.


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